花輪ばやしの伝承曲については、数多くの説があります。
京都移入説、鹿角人創作説、鹿角入居の貴族人創作説などです。
伝承曲の年代区別の仕方は次の三通りあります。
①平安時代末期ごろ京都から花輪地方に来た貴族の笛の曲に、後から摺り鉦(すりがね)、太鼓、三味線がついて祭りばやしになったもの。
宇現響、羯鼓、二本滝、霧囃子、本囃子、衹園。
②江戸時代中期から幕末にかけて花輪地方で作曲されたもの。
不二田、追込、シャギリ、矢車。
③幕末ごろ、当時流行の園芸囃子を取り入れ編曲したもの。
吉原格子、拳囃子
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本囃子(ほんばやし)
これは本屋台囃子の略称。曲は行進風で進撃調の強いもので、昔、軍の士気を鼓舞するために作曲されたものではないかと思われます。代表4曲(宇現響、羯鼓、日本滝、霧囃子)に比べこの曲だけ性質を異にしている曲風だと言われています […] -
二本滝(にほんだき)
渓谷の奥で往々見られる、岩にせかされて段々になって落ちる幽雅の滝の風情を表したものです。同じようなメロディーを2回ずつ繰り返すことが特長で、2つのメロディーに互いに巧妙な変化を持たせてあるところが聞きどころです。二条の滝 […] -
霧囃子(きりばやし)
この霧とは、朝霧のことで、この曲は朝霧にけむる野山の風情を表したものです。朝詰の帰途に多く演奏されることから「下りばやし」とも言われています。元来、テンポが遅く緩やかに演奏されていたので間合いが難しく、笛や三味線、太鼓が […] -
羯鼓(かっこ)
「羯鼓」というのは雅楽に用いられる楽器のことで、いわゆる鼓の一種のようなものです。台にのせて二本のバチで両面から打つ特殊な楽器で、特に鹿角地方では全く存在していなかったのですが、花輪ばやしの中の曲名として現在まで伝えられ […] -
宇現響(うげんきょう)
仏教の無量寿経に説かれている浄土の有様にある空にはいろいろな楽器が飛遊し、奏する人もいないのに妙音を発しているのだそうです。この曲はその様子を表現したものと言われます。花輪ばやしは仏教の影響が強く見られ、これっらの曲は浄 […] -
追込(おいこみ)
「追込」という曲名は多くの祭囃子の中に見られますが、花輪の追込は、そのどれにも似ていず、曲名だけを移入したものではないかと思われます。追込・不二田、ともに幕末頃、地元で作曲されたと言われます。追込はその当時作曲された中で […] -
不二田(ふじた)
不二田は長らく伝承されていませんでしたが、平成15年11月に、保存育成部をはじめとする有志により復元されました。 -
吉原格子(よしわらこうし)
2曲とも江戸の遊芸囃子の移入とみられ、吉原格子は「篭丸」をスローテンポにしたもので、浴衣などによくある「吉原格子」の図柄を表現したものであるとされています。この吉原は江戸のものか東海道の吉原をさしているのかは定かではあり […] -
矢車(やぐるま)
その昔お金持ちが「お伊勢参り」の際、笛の楽人を同行し、中京地方の曲を移入させたものと言われていますが曲の表現が違うことから地元で作曲したものではないかと言われています。 ★横丁の得意曲 -
拳囃子(けんばやし)
★舟場町の得意曲 -
シャギリ
地元で作曲された曲の一つです。年代的には「追込」「不二田」とほぼ同年代のものではないかと思われます。他のほとんどの曲が笛で始まり笛で終わっていますが、この曲だけは、鉦で始まり鉦で終わっていて笛と太鼓はお供として演奏されて […] -
衹園(ぎおん)
この名称は仏典に現れる「衹園精舎」からきた言葉だと言われています。「衹園精舎」とは釈迦が晩年好んで居住された場所の名称です。その名の通り、非常に格調高い調べになっており、二本滝や羯鼓の作者と同一人物ではないかと見られます […]